札幌に俺王「ウイル」が帰ってきたぞ〜！！

J1昇格請負人ウィル再来札
コンサドーレ札幌に2季ぶりに復帰するFWウィル（29）が22日、ブラジルから成田経由で空路札幌入りした。アイリーン夫人（28）と長女タインちゃん（5）を伴い、新千歳空港に降り立った。「まず、最初に言いたい。（札幌に）戻って来られて、本当にうれしい。個人的な目標はない。チームがJ1に上がることだけ考えている」。J1再昇格の切り札は、フォア・ザ・チームを強調した。
実績がある。札幌時代の01年は26試合24ゴールでJ1得点王に輝いた。昨季は出場24試合ながら、得点ランキング10位相当の14ゴールを挙げた。横浜退団後、獲得に乗り出した小山哲司チーム統括部長（45）は「決定力がある。タメを作れる。周囲の選手を生かすことによって、ウィル自身も生きる」と期待を込めた。
チームとサポーターへの愛着が「トラブル」を封印する。横浜に所属していた昨年10月、試合中にチームメートの奥大介（28）に暴行を働き、契約を解除された。当時の横浜ラザロニ監督（52）との確執が背景にあった。親しいチーム関係者は「確かにサッカーに関して熱くなることはある。だけど根はいいヤツ。まじめだし、まったく問題ない」と古巣復帰を歓迎した。
98〜99年の大分時代は警告、退場を繰り返し、問題児扱いされた。00年の札幌移籍後、岡田武史元監督（46）の粘り強い指導とサポーターの温かい声援に支えられ、J1得点王に上り詰めた。だからこそ、言える。「J1復帰の目標を絶対に達成するため、今年もサポーターの力が必要なんだ」。FW陣の核となるウィルがゴールラッシュで恩返しする。

◆ウィルのトラブルメモ
▽98〜00年大分時代
00年11月に浦和とJ1昇格争いを繰り広げる中、残り2試合で1シーズン通算8度目の警告を受けた。重加算されて6試合という長期の出場停止処分を受け、チームに大打撃を与えた。

▽01年札幌時代
2月の豪州キャンプにベスト体重より約10キロ近くオーバーして合流、減量指令が出た。岡田監督は「試合中に審判にクレームをつけたら罰金」などのルールを設けて更生を促し、能力を引き出すことに成功した。

▽02年横浜時代
10月の磐田戦でファウルで退場した際、それまでの味方MF奥の指示に怒り、腹いせに左ひざ裏を蹴り上げた。5月のナビスコ杯市原戦では相手GKらを故意に負傷させる事件も。シーズン中も首脳陣と再三対立した。

◆契約更改
MF和波智広（22）が22日、クラブと今季契約を結んだ。年俸は現状維持の1100万円（推定）。他クラブへの移籍の可能性を残していたが「今は札幌でJ1に上がることだけ考えている」と前向きに話した。