札幌の俺王ウイルは優等生になれるかな？信じたいもんだ！

　コンサドーレ札幌のシドニー合宿3日目の7日、宿舎そばの砂浜で行われたフィジカルトレーニングで、FWウィル（29）は、全体練習の合間を縫って一人で筋力トレーニングを敢行、意欲的な姿を見せた。試合中の暴行事件で解雇をされた昨年の苦い体験を払拭すべく、自ら急ピッチで調整を進めている。
　「オフは終わったし、これから一生懸命やらなければならない」。足腰をじわじわと疲れさせる砂浜で、ジャンプやダッシュを繰り返すウィル。最後まで加減することなく全力で挑んだ。
　昨年、汚点を残した。たしかに試合中の仲間への暴行は許されることではない。しかし、ウィルのサッカーへのひたむきな気持ちは2年前の札幌在籍当時と変わらない。鈴木ウリセス通訳（21）も「彼は個人よりも常にチームが第一。得点王がどうこうとかではなく、チームの目標が自分の目標」と言い切る。
　現状はコンディションが万全にはほど遠い。だからこそ、納得するまで一人で鍛える。ジョアン・カルロス監督（47）も「彼はすごくやる気がある。何よりゴールを決めるための必要な感覚を持っている」と今年にかける気持ちを評価した。
　ウィルの言葉には、チームへの愛情が満ちている。「1年を通して、チームがいい環境や雰囲気にならなければならない。」と、J1復帰へ不可欠な“ファミリー”の大切さを強調した。
　昨季の処分を持ち越し、開幕から3試合出場停止の可能性は高い。だからこそ自らの責任も分かっている。「試合に合わせてベストを出していけるようやるだけです」。怖いほどのウィルの“本気”が札幌を引っ張っていく。