☆HFCが2004年度決算発表大幅の黒字!今年は試練の年に☆
コンサドーレ札幌を運営する北海道フットボールクラブ(HFC)は二十三日、札幌ドーム(札幌市豊平区)の事務所で定例取締役会を開き、二○○四年十二月期決算を報告した。
純利益は三億五千六百七十万円で、三年ぶりに単年度黒字となった。単年度の黒字額としては過去最高。
補助金などを除いた営業利益でも、一九九六年のクラブ発足以来初めて一億四千万円の黒字となった。
チームはリーグ最下位に低迷したが、成績不振による収入減を移籍金収入などで補う一方、人件費を大幅に圧縮して営業費用を削減したことで、大幅な黒字となった。
入場料収入にあたる興行収入は三億八千万円で前年度に比べ21・4%減だったが、FC東京に移籍した今野泰幸選手の移籍金が入るなどし、営業収入は十三億七千万円の12・6%減にとどまった。
一方、トップチーム人件費は半分以下の三億二千万円になったため、営業費用は34・4%減の十二億三千万円だった。
札幌市の補助、道サッカー協会が管理するコンサドーレ札幌支援基金の助成は各一億円ずつ。
経常利益は三億六千百五十三万円だった。
累積赤字は三十億円から二十六億五千万円に、債務超過額も四億五千万円から九千八百万円にそれぞれ減った。
○五年度は多額の移籍金収入などがなく、純利益七十万円を見込んでいる。
また、サッポロビールから出向していた松野光範常務が、出向契約が切れる今年二月末に退任することになった。

札幌を運営する北海道フットボールクラブがチーム強化と経営改善を目指す「強化計画」初年度となる2004年12月期決算で、成績が低迷し観客が減る中、過去最高となる3億5600万円の純利益を計上したことは評価できる。
2年連続の単年度黒字など、Jリーグ経営諮問委員会が内規で定めたJ1昇格の条件を満たすための第一歩を踏み出したといえる。
5段階の強化計画の経営面での第1段階の目標は「最少コストの経営」。
HFCは、チーム構成を日本人選手のみ、若手中心とし、トップチーム人件費を大幅に抑制。
一般管理費も、試合会場の警備員の数を減らすなど「数万円、数十万円単位で」(HFC幹部)経費を切り詰めた。
佐々木利幸社長は「ステップ1は実現できた」と語る。
大胆なリストラ効果で単年度黒字を達成したが、財務内容が改善されたわけではない。
クラブ発足以来初めて、補助金などを含めない営業損益で黒字を計上できたのは、昨季F東京に完全移籍したMF今野の移籍金という臨時収入があったためで、05年以降も期待できるものではない。
強化計画の第2段階の目標は「経営基盤の強化」。
2年連続での単年度黒字を達成するためにも、札幌市の補助金など営業外収入に頼らない財政構造の基礎を確立するためにも、増収に向けた新たな取り組みが求められる。

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